※ジェットロン幼少期捏造妄想です。

 

 

 

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大概の手続きは、既にメガトロンと彼の両参謀が手を回してくれていたらしい。

付き添ったサウンドウェーブは何も言わないが、スタースクリームの身元引受人には彼の名前があった。

メガトロンの名前が無いのは、恐らくデストロンという組織の性質上だろう。

盗み見たサウンドウェーブの身分証も、偽造されたものらしくやけに立派な肩書や所属先が記されていた。

 

「これからお前はここで、単独で潜伏する。デストロンの事は――――」

「何も話すな、悟られるな、だろ。それぐらい承知してんぜ」

「理解しているなら良い」

 

地下組織たるデストロンが堅気でない事など、スタースクリームにはとっくの昔に気付いていた。

それでもメガトロンが強者である事も、彼らが自分達に全てを保証してくれた事は間違いなかった。

だから、命令を受け取ったのだ。

いずれ訪れるであろう、デストロンがこの星の支配権を握る日まで―――スタースクリームは、外の世界で学び続けるという命令を。

その命令の為に、同型機たちから離れ基地から出た。

 

「気取られそうになった時だけ、連絡を寄越せ」

「どうやって」

「自分で考えろ。何の為に特別教育を受けると思っている」

 

呆れを滲ませた声音に、スタースクリームはそれ以上口を利くのをやめた。

サウンドウェーブの言葉に腹が立ったのもあるが、ちょうど研究所の職員が案内にやってきたからだ。

職員はサウンドシステムと航空機という組み合わせに驚いた顔をしていたが、やがてべらべらと聞いてもいない事を含めながら、施設内の案内を始めた。

 

 

 

 

 

***

 

 

サウンドウェーブが去ってしまった後、スタースクリームは一人宛がわれた部屋にいた。

個室は厚遇の証拠だと職員は言っていたが、恐らくサウンドウェーブが手を回したに違いない。

何もない空間は今まで暮らしていた基地内の部屋とそう大差は無い筈だが、何やら落ち着かなかった。

「・・・」

する事もなく寝台に腰を降ろしてみれば、そこで漸く落ち着かない理由に気付く。

いつもアイセンサーに捉えていた水色と黒が、ここにはいないのだ。

起動してから今まで殆どと言っていい程一緒に行動してきた同型機と、自らの意志で距離を置いたのは初めてのケースだった。

成る程つまりは。

 

「・・・馬鹿馬鹿しい」

 

ごろりと横になって天井を仰ぐと、基地の部屋よりも高い天井がそこにある。

ダクトや配管が露出しているわけでもない、お綺麗な白い天井だ。

その白を暫く睨み続けた後、スタースクリームはゆっくりと己のアイカメラを腕で覆った。

 

 

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少しだけホームシックのスタスク。