※ジェットロン幼少期捏造妄想です。

 

 

 

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星のあちこちから一定以上の能力を認められた者が、候補生となってより高度な学問を学べる。

そしてそこで評価を勝ち得た者だけが、中枢たる研究施設内で己の分野を究め続けられる。

スタースクリームが今いる場所はその第一歩に過ぎなかったが、専門的な事を事細かに学べるのは純粋に楽しかった。

が、ここでスタースクリームは躓いた。

彼は、集団でものを学ぶという事に全く慣れなかったのだ。

基地にいた時でさえ三機きりという状況だったし、その少人数体勢から直ぐ個人授業に切り替わった。

自分はもう理解しているのだから先の事を教えて欲しいのに、他の連中がまだ理解していないからと繰り返し繰り返し、一度聞いたものを聞き続けなければならない。

周囲の鈍いスピードに合わせて学ぶ事こそが、苦痛だった。

一方他者からしてみれば、彼は希少な航空型で目立つ存在だったし、初めの頃はそんなスタースクリームに話しかけようとする者も多かった。

しかしそれも最近はめっきり減った。

元々スタースクリームは愛想を振りまく様な性格でもないし、覚えの悪い研究生らには見下した態度を隠そうともしなかった。

 

もう一つは、スタースクリームの口調にある。

 

スタースクリームはこの星の中でも治安の良くない場所、それも路地裏育ちだ。

故に普段使いの言葉は地域の品位に伴い、常に威嚇する様な物言いになる。

スタースクリーム達はそれを何ら不便だと思った事は無いし、デストロンに拾われてからもそれを改める必要は無かった。

疑問に思う必要さえ、無かったのだ。

メガトロンと接するうちに敬語らしいものは学んだが、初期段階でインプットされた訛りは中々消えない。

お高くとまった連中はスタースクリームの有能さにおもねり、自分達の仲間に加えようと誘った様だが―――スタースクリームと二、三言葉を交わすうちに離れていった。

出自をからかい嫌がらせをしてきた連中もいたが、そういう時は軽い運動も兼ねて完膚なきまでに叩きのめしてやった。

見下していた笑みが憐れみを乞う表情になるのは、見ていて心地良かった。

その容赦ない報復がまた、周囲を遠ざけた。

 

 

結果、スタースクリームは孤立したまま研究生生活を過ごす事になった。

低能な連中と付き合うメリットを見出せなかったスタースクリームにとっては、随分気楽だったのだが。

ただ周りが祝日だ何だと浮かれても、スタースクリームには寮から帰る場所など無かった。

講義の無い時はデータ室に籠って資料を読みふけり、苛立てば気晴らしに空を飛んだ。

自室では以前メガトロンと組み上げた麻痺銃の設計に手を加え改良を施し、時には自ら新しい武器を考えたりもした。

そうやって過ごしているうちに、気付けばスタースクリームは研究生から所属員に―――研究所の、正規所員になっていた。

 

 

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スタはいじめられても三倍にやり返す子。