※ジェットロン幼少期捏造妄想です。
12.
候補生から研究員になったからといって、生活にあまり変化は見られなかった。
ただ寮の質が少し上がった事と、馬鹿な研究生や講師連中と接する必要が無くなったのは幸いだった。
日がな一日研究に没頭し実験室に籠り、必要とあらば他星への渡航をし単独調査を行う。
多少の手続きやレポートの提出は面倒だったが、これまでのしがらみに比べれば今は天国だった。
頭の悪い連中に話しかけられ気を散らす様な事も無く、好きなだけやりたい事が出来る。
周りが自分をどう評価していようが、スタースクリームにとっては全くどうでもいい事だった。
そんな風に過ごし、暫く経った頃の事だ。
ある日スタースクリームは、一体のトランスフォーマーと出逢った。
「君がスタースクリーム?」
呼び掛けられた時は、聴覚回路の故障かと思った。
何故ならばここ暫く、他者から名を呼ばれる事が無かったからだ。
他の研究員たちは自分を厄介者とみなしていて、スタースクリームの研究室に立ち寄る事など一度も無かった。
それなのにこの巨大な白い機体は、スタースクリームの研究室を態々訪れ、そして名を呼んだのだ。
部屋を間違えたわけでも無く、別の研究室への道を訊ねに来たわけでもなく。
明確に、スタースクリームの下へ訪れたのだ。
驚きのあまり固まるスタースクリームに、白い機体はその色に見合った温和そうな笑みを浮かべている。
「初めまして、私はスカイファイアー」
「・・・」
握手の為に差し伸べられた掌よりも、彼が屈んだ事で背中に背負った翼に目がいった。
久しく見る事の無かった大きな主翼は、間違いなく空を飛ぶ為のものだ。
スタースクリームの視線がそちらに向いている事に気付いたのか、スカイファイアーと名乗った白い機体ははにかみながら己の翼を見遣る。
「航空型同士、仲良くしてくれると良いな」
「・・・・ああ」
差し出されたままの手を漸く握ると、白い機体はとても嬉しそうに笑った。
それが、スカイファイアーとの出会いだった。
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精神年齢で言えばスタは高校生ぐらいかしら・・・
もうちょっと低いか??(笑)